この点、各区分所有者が持分に応じて負担に任ずるというのが区分所有法の定める原則であることを理由に総会決議を不要とする見解もあるようです。
予算を超えて管理に必要不可欠な支出が生じ、その支払いに充てるために徴収するのであれば、そのような解釈が成り立つ余地があるでしょう。
しかし、通常、規約において管理費の額は総会決議で定めるものと規定されています。「不足分を臨時に徴収する場合はこの限りにあらず」との規定があるならともかく、そうでなければ、総会決議を経ずに臨時の管理費の額を理事長又は理事会が決定することは規約に反する、というのが自然な解釈のように思われます。
少なくとも、そのような解釈がありうる以上、後日の紛争を回避する観点から、総会決議を経ることが賢明だといえるでしょう。